従来のCRMの限界と「好きの醸成」の重要性
CRM(顧客関係管理)の主な目的は、LTV(顧客生涯価値)の向上です。
特にリピート通販業界では、アップセルやクロスセルを通じて購入単価を上げ、解約を防ぎながら購入期間を延ばす施策が一般的でした。
メルマガやLINE配信、同梱ツールなどを活用し、顧客接点を増やすことで売上を最大化しようとする戦略です。
しかし、単に売上を追求するだけでは、顧客が企業や商品に長期的な価値を感じにくく、LTVの向上にも限界があります。
そのため、CRMの新たな視点として「顧客が企業や商品を好きになること」を重視すべきだという考え方が注目されています。
「好きの醸成」がもたらすLTV向上
「好きの醸成」とは、顧客が商品や企業に対してポジティブな感情を抱く状態を時間をかけて育てていくことです。
この感情的なつながりが強くなると、口コミや友人紹介が増え、ブランドロイヤリティが高まり、結果的にLTVの向上につながります。
例えば、初回購入時の同梱物にブランドブックや挨拶状を入れることで、企業の価値観や商品のストーリーを伝えることができます。
また、SDGsへの取り組みなど社会貢献活動を積極的に発信することで、企業への共感を生み出し、好感度を高めることが可能です。
この「好きの醸成」を測る指標として、「NPS(ネットプロモータースコア)」や「NRS(ネットリピータースコア)」が有効とされています。
NPSは顧客が企業を他人に推薦したいと思う度合いを、NRSは継続利用意向を測る指標です。
さらに、口コミ投稿数やSNSでの評価推移なども、KPIとして活用できます。

商品自体の魅力が不足している場合の対策
どれだけ販促活動を行っても、そもそも商品に魅力がなければ、効果は限定的です。
まるで燃費の悪い車にガソリンを補給し続けるようなもの。
そうした場合、思い切って商品をリニューアルするか、新商品を開発することも検討すべきでしょう。
また、商品の変更が難しい場合は、リブランディングという選択肢もあります。
ブランドのイメージを刷新し、顧客との新しい関係を構築することで、好感度を向上させることができます。
一度低下したブランドイメージを回復させるためには、単なる広告施策ではなく、ブランドの姿勢や価値観を見直し、それを適切に伝える努力が求められます。
まとめ
これからのCRMは、単なるLTV向上の手段ではなく、顧客が「好き」と思える企業や商品を目指すことが重要です。
企業の価値観やストーリーを伝え、感情的なつながりを強化することで、長期的な関係を築くことができます。
顧客のロイヤリティを高め、ブランドのファンを増やすことで、結果的に売上や企業価値の向上につながるのです。
従来のCRMに加え、「好きの醸成」という視点を取り入れることで、これからのマーケティング戦略に新たな可能性が生まれるでしょう。
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